
精密根管治療
精密根管治療
根っこの神経をとる根管治療に関しては保険適用内での治療もありますが、精密根管治療は、広義に①『神経を残す治療』(歯髄温存療法)と②『根っこの中のお掃除と封鎖により再発を防いだり、長期保存率を上げるための徹底した根の治療』(狭義の精密根管治療)のことです。
ここでは①を『歯髄温存療法』、②を『精密根管治療』と呼ばせていただきます。保険適用外の治療となります。
他院でむし歯が大きくて神経を取らないといけないと言われた方、一本でも多く歯を残したい方はぜひご相談ください。
今までや現行の保険適用内診療ですと、使用できる材料や術式に制限があるため、神経の症状や、むし歯を取った際に神経が出てきてしまった場合『抜髄』と言って神経を取り除く治療になってしまったり、神経を保存する治療でもあまり成績が良くなく、残念ながら結果的に『抜髄』に至るケースが多いのが現状です。
神経を取ると、歯根破折のリスクが高まり、歯が保存できなくなってしまう確率が上がってしまうことが言われています。
しかしさまざまな研究から、ケースにもよりますが『ラバーダム防湿』によって細菌を入れないような『マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)』で神経を高倍率下直接確認し、感染・炎症の部分の神経のみを取り除き、切断面を『MTAセメント』にて封鎖することで残った正常な神経の長期保存を高確率(論文上では約8割)で達成できるようになっております。
根管治療(根の治療)は保険診療内でも対応可能です。
しかし、保険診療は国が定めたルールに則って行われる治療なので、材料や時間に制約があります。
実際現行の保険診療では一度根管治療した歯の約5割が再度根管治療の対象になっていることがデータとして出ており、歯医者も頭を悩ませております。
どんなに綺麗で丈夫な被せ物をしても支えている歯の根っこの状態が悪ければ、ゆくゆく歯を残すことができなくなるリスクは高くなってしまいます。
根管治療専門医のプロトコールに沿った『精密根管治療』ですと8割から9割の成功率のデータがあります。
当院では根管治療専門医のプロトコールに沿った『精密根管治療』が行える体制と技術を持っておりますので、より高いレベルでの歯の保存のお手伝いをしていければと思っております。
高倍率での視野で作業することで、悪いところのみを正確に見ることができますので最小限に除去することが可能になりこれにより歯牙の温存に繋がります。また悪いところがしっかり見えるため、成功率UPに繋がります。
基本的には内部の細菌の除去を行う治療ですので、ゴムのマスク(ラバーダム)をして徹底的に無菌に近い状態を維持し治療を進めることで成功率をUPさせます。また除去した細菌や、消毒の薬剤がお口の中に入らないため患者様にも優しいのが特徴です。
3次元的にレントゲンを撮影することで通常の2次元のレントゲンでは見えない部位の病気や破折線なども発見することができます。
原因をきちんと把握することで適切な処置が行えるので成功率がUPします。
中の細菌を綺麗にしても細菌が入らないようにしないと再発の原因になってしまいます。保険適用の根管治療ですと、ガッタパーチャというゴムのような樹脂を細長く固めたものを使用しますが、MTAセメントは封鎖性、生体親和性(生体との馴染みが良い)、水分と反応し固まる性質など、根の中をしっかり封鎖するのに非常に適した性質を持つ材料です。
保険適用外の材料になりますので『精密根管治療』では使用可能です。
内部を綺麗にするのは器具による機械的清掃と薬剤による化学的清掃です。
内部はかなり細いのでむやみに器具で機械的に清掃すると余計な部分が除去されたり、必要な部分が取り除けなかったりします。
精密根管治療では形状記憶の性質のあるNi-Tiファイルや専用の超音波器具などの専門器具を用いて清掃を行っていきます。
精密根管治療も根管治療専門医のプロトコール通りにやっても論文上では約7~8割の成功率です。保険適用の約5割と比較すれば高い成功率ですが、それでも2~3割は治癒が不良なことがあるとされています。
しかし、根管治療専門医のプロトコールではそういった場合でも歯根端切除術や意図的再植といった外科的にアプローチする方法(外科的歯内治療)を用いることで成功率が8~9割になるという報告があります。
また、内部のむし歯が大きかったせいで、また前の先生が一生懸命になりすぎて横穴を開けてしまった(パーフォレーション)場合、そこが感染源や炎症に起因してしまうことがあります。
その他にも、清掃用のファイル(針金のような器具)が破折して内部に残ってしまった場合は取り除くのが難しいことがあります。
当院ではそういったリカバリーケースに関しましても対応させていただきますのでご相談ください。
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